利他の祈り
小社刊「銀河連合から日本へ」は、進んだ宇宙存在から提供された音響テクノロジーとされる「ヒーリングウェーブ」を紹介した本です。この音響装置には決まった使い方があるわけではなく、少なくない数のユーザーが日々独自の使い方を試行錯誤で実験・開発しています。
実は編集人(筆者)も、本を作りながらその驚くべき情報に感銘を受け、ヒーリングウェーブのユーザーになった一人です。
現在活用されている主な領域は美容と医療ですが、以下は筆者が主に「スピリチュアルな分野での関心事項・課題を解決するための使い方」について、考察した内容です。この本に関する情報の一つとして、興味のある方の参考に少しでもなればと思い、提供させていただきます。
【スピリチュアルな文脈でのヒーリングウェーブ】
地球のアセンションに向けて、すでに人類の意識は二極化しています。「エゴと恐れ、束縛と欠乏」と、「愛と平和、自由と豊かさ」の二つの世界です。スピリチュアルでは、平行宇宙(パラレルワールド)と言ったりします。
平行宇宙とは自分をどの世界に投影するかということであり、複数の世界に投影する人もいます。筆者自身は今のところ新旧両方の地球に存在していると考えています。
ヒーリングウェーブのスピリチュアルな使い方は「愛の側の周波数の地球」にいる自分が「恐れの側にいる自分」だけでなく「恐れの側にいる他者」に働きかけることで行います。
ニュースやSNSなどで、旧世界の現象を目にしたら、それは自分の中にも同じ周波数があるということです。そこで、その世界にいる方が持っていなくて自分が持っている周波数を体感して意図すれば、その方々に思念を送ることができます。
例えば、いじめ、DV、住むところのない方、薬物中毒等、様々な問題の渦中にある方達がいます。それは、もちろん、社会環境の問題である側面もありますが、スピリチュアル的には本人自身が作り出している一つの小宇宙、並行世界(パラレルワールド)の中でその周波数を体感されているのです。
それはただその方だけの問題なのでしょうか。筆者は、そうではないと思うものの一人です。「自他の壁」は思いの世界、エネルギーの世界にはありません。その方が必要としているエネルギーを提供することはでき、その方が実は目に見える世界での支援よりもずっと強力なのです。
私たちが日々関わる身近な方達の中にも、私たちの祈りを必要とする人がいるはずです。誰でもがその気になりさえすれば、その方が必要とする周波数を祈りを通して届けることができます。そうすれば、地球はもっと良い場所になるのではないでしょうか。
【利他の祈り】
筆者の考えでは、ヒーリングウェーブのユーザーの最初の関心領域は、「パラレル移動」です。言い換えると、自分の周波数を変えることで、まず自分が幸せになっていくことです。
しかしその先に、自然に、地球をもっと良い場所にするために、何ができるかという思いが出てきます。使っているうちに、「遠隔」というやり方で、他者にエネルギーを送ることができることを理解するからです。
キーワードは、「利他の祈り」です。「利他」の思いで「祈り」の活動をすること。
「利他」とは、目に見えない思いの方向性のことです。例えば、女性が美しく装う時、美しくなりたいという思いは同じでも、「自分が美しく粧うことで相手や人々を喜ばせたい」という思いでそうするのか、単に自分に称賛を集めたいからそうするのかでは、思いの通じる世界の次元が違います。
行動が愛によって動機づけられていれば利他、そうでなければ利己です。利他の祈りとは、誰かのために、その方が必要とする想念を送る祈り、愛のための祈りです。
「祈り」とは、願望実現のための一つの精神法則を応用することだと考えます。筆者は、祈りと願望実現のメカニズムについては最も分かりやすく実践的なのは、祈りを精神科学と捉える「カフナ」の考えだと思います。
この考えによれば、すべてを音一元、言い換えると宇宙的な解釈をしなくても、地球人的な発想で理解できるからです。
「銀河連合から日本へ」の著者である吉田さんは、独自の宇宙論から地球の全体の波動を上げることを考えておられるようですが、筆者は、もう少し小さく、ピンポイントで旧い周波数の中にいる人のために具体的にどういう祈りをしたらいいかを考えています。
【ヒーリングウェーブによる祈りの活動の実践】
ヒーリングウェーブの主な活動領域は、アストラル体とかエーテル体などの、人間のエネルギー体の波動の調整です。人間のエネルギー体は、薬物などの波動の影響も受けますが、人間の魂や心といった、より高次の次元の部分にある思考、言い換えると「想念エネルギー」(ネガティブ想念)の影響も受けます。
思いの不調和により、アストラル体とエーテル体の歪みをもたらし、それがやがて肉体にも反映してきます。逆に、肉体やエネルギー体の不調和がさらに思いに影響し、不摂生をするという悪循環が起こります。
この悪循環の渦中にいる人自身が、そもそもの原因である自分の思いの間違いに気づいて正すことができれば良いのですが、すでにその気力もなくなっている場合もあるでしょう。その時に、ヒーリングウェーブの音を使ってその悪循環を断ち切るきっかけとなるエネルギーを与えることができると思います。ヒーリングウェーブの音はそれ自体が一種の生命エネルギーだからです。
【どのようにして祈るか】
(1)まず、何らかの地上的な縁が必要です。過去世で縁があれば、その方とはすでに霊的な紐帯で繋がっていますが、そういう縁がなくとも、地上的に一度言葉を交わせば、霊的なつなが李があると思われます。あるいは、相手の方の名前を知ることや、顔や姿形を知ることなども、縁に当たると思います。
(2)相手の方が必要とする「想念エネルギー」は何であるのかを考えて、そのエネルギーをもし自分が持っているものであるなら、その方のために必要な「想念エネルギー」を設計して自分の中に作ります。
相手のロウセルフ(潜在意識)が罪の意識で縛られているときは「懺悔の思い」や「感謝の思い」が必要です。
その想念エネルギーは、そのエネルギーが所属する世界の周波数を含んでおり、そのエネルギーを受け取ることで、その周波数の世界に同調する霊的なスイッチの働きをします。
これには、祈りをする人自身の周波数が関係します。その人がどういう考えでいるかではなくて、どういう「あり方」をしているかが問われます。言い換えると、思考を超えた愛の次元で想念エネルギーを作り出すことができるかということです。
(3)相手のハイセルフ(超意識)に向けて「〇〇さんのために、このヒーリングウェーブの音を送らせていただきます。どうか〇〇さんが元気になり、神に作られたままの愛と光の個性才能を発揮することができますように。よろしければ〇〇さんのためにこの想念エネルギーをお使いください。」という祈りをします。あくまで、祈りを向ける先は、(地上にいる肉体としての相手ではなく)相手のハイセルフ、超意識です。
(注2:カフナの理論によれば、正確には、健在意識の自分が出す想念エネルギーは、自分のロウセルフ経由で自分のハイセルフに送られ、自分のハイセルフから相手のハイセルフに送られます)
そのエネルギーを使うかどうかは、相手のハイセルフの選択に任せます。なぜなら、魂の経験のためにあえて病気という人生シナリオを自ら設定する方もいますので、病気が治ることが必ずしもいいことだとは限らないからです。
これだけではよくわからないと思います。以下、補足として、背景となっているカフナの原理的な話をします。
【凶悪犯罪者はなぜ更生できたのか】
ホ・オポノポノの提唱者であるヒューレン博士が、ハワイの刑務所の心理監察官だったときに、診察をせずに凶悪犯罪者たちを更生させた有名な話があります。患者のカルテを見ながら「ごめんなさい、許してください、ありがとう、愛しています」という思念をしただけで、相手が変わったというのです。
ヒューレン博士の治癒原理の説明では、この意念はあくまで「自分自身」に対してするもので、相手に送るものではありません。原因は相手の現象を起こしている「自分の中の記憶」にあり、その記憶をアウマクア経由で創造主に消してもらうことにより、相手の記憶も消えるという説明がされます。
この説明は、創造主の視点からのものです。もともとのカフナの教えには創造主は出てきませんから、この理論はカフナの教えがキリスト教化したものとも言えます。
あるいは、たとえそれが悪人を更生させるというようなことでも、もし自分が他者の自由に関与してしまえばカルマ的な原因を作ることになるでしょうから、「自分に対して」の働きかけであり「その実現は神様に任せている」という説明をしているのかもしれません。
あまりにも有名なホ・オポノポノですが、これは、元々のカフナの原理とは別のものです。オリジナルのカフナの理解によれば、別の説明になります。
【カフナの世界観】
カフナの考えでは、霊界にいる自分自身の魂の親(ハイセルフ)が本人の願望実現を手助けします。魂の親と言っても人霊です。また、願望と言っても、「利他」の願望です。ハイセルフ同士はグループで活動することもあります。もっと進化した神様が助けることもありますが、創造主が直接出てくることはありません。
ここから先はカフナ的な人間の魂の構造の説明なので、興味のない方は飛ばしていただいても大丈夫です。
カフナの考えでは、人間には顕在意識(ウハネ、ミドルセルフ)の他に、潜在意識(ウニヒピリ、ロウセルフ)、超意識(アウマクア、ハイセルフ)という、三つの独立した霊魂が存在します。
ロウセルフは、人間や動植物だけでなく、物にもあります。言い換えると物にも意識があり、人間と話ができます。全てのロウセルフは、地球のロウセルフとつながっています。
ある人が一度地上で縁を持った人とは、ロウセルフ同志が霊的な紐(アカ・コード)で繋がり、その紐を通して、活動エネルギーや想念エネルギーを送ることができます。この紐は霊的なもので、三次元的な距離は関係ありません。
ロウセルフは3歳児程度の知性しかありませんが、全ての感情や思考を記憶します。また健在意識の持つ信念(言葉)に縛られます。罪の意識を持った場合は、それ以降なかなか自分を肯定することができなくなります。
ハイセルフはロウセルフとミドルセルフを管理監督します。ミドルセルフはロウセルフを経由してハイセルフとコンタクトします。
なお、ハイセルフが三次元世界に働きかける時(夢や物質化現象など)には、地上の人間が持つ活動エネルギー(マナ)を使います。ハイセルフが地上の肉体を癒したり、必要な情報や人との出会いを作ったりというように、三次元の世界に働きかけるときも、物理的な活動エネルギーが必要で、そのとき地上の肉体にある「マナ」を使います。マナを取り込むには、呼吸法の実践が必要です。
筆者の考えでは、ヒーリングウェーブの音はこの「マナ」という生命エネルギーに準じるものです。呼吸法の実践をしなくても、生命エネルギーを補給することができます。また、音を相手のハイセルフに届けることで、相手のハイセルフが地上世界にいる相手に働きかけるエネルギーを提供することになります。
(注1:カフナの教えについては「カフナの秘法 実践編(徳間書店)」が最も参考になります。)
【他者の変容の構造】
カフナ的なロジックでは、凶悪犯罪者はどのような仕組みで更生したのでしょうか。
以下は、筆者の仮説です。
(1)ヒューレン博士は、その凶悪犯罪者の魂が救われてほしいという愛の思いから行動した。
(2)ヒューレン博士は、その方のカルテから、その方の魂の課題とこれまでの経緯を推論した。生育環境や様々な事情から罪を犯さざるを得なかった状況に心情的に寄り添った。
(3)ヒューレン博士は、その凶悪犯罪者のことをもともとの悪人だと見てはいなかった。むしろ自分となんら変わらない同じ存在であり、それがやむにやまれず現在のようになってしまったとみていた。
(4)ヒューレン博士は、凶悪犯罪者と同じ立場に意識をおいて、(本来彼が自分で生み出すべき)「懺悔の想念」(悔悟と悔い改めの思い)と「感謝の想念」(愛の学びの機会を得たことに対する感謝)を作り出し、それが自分の潜在意識(ロウセルフ)に向かって送った。
(5)その想念には「相手(凶悪犯罪者)が良くなってほしい」という「利他の願望」と、相手のアウマクアに対する「この想念エネルギーをこの方のために使ってほしい」という意図が含まれていた。
(6)その想念エネルギーはロウセルフ経由で自分のハイセルフに送られ、さらに相手(凶悪犯罪者)のハイセルフに送られた。
(7)凶悪犯罪者のハイセルフは、ヒューレン博士が作った「想念エネルギー」を使って、本人のロウセルフ(潜在意識)の中にある「罪の意識」を消去した。
つまり、ステップとしては ①相手の情報を収集する ②その方の魂の課題を認識する ③愛の眼で見る ④相手が必要とする「想念エネルギー」を作る ⑤自分のロウセルフ→ハイセルフ経由で相手のハイセルフに送る ⑥結果は相手のハイセルフにお任せする、ということになります。
【相手に必要な想念を設計する】
ヒューレン博士のロジックでは、問題分析や解決も全て「創造主に丸投げ」なので、それ以上地上の人間が関与する余地がありませんが、カフナ的な考えでは、④の「想念エネルギー」を、祈りをする人が最適な形で想念を設計して作り出すことができます。
問題の渦中にある本人がそれをすることはができないので(それができるくらいならもともと問題は起きないということだと思います)、ヒューレン博士のホ・オポノポノでは、その部分を「創造主に丸投げ」せざるを得ないのですが、実際には誰か(関係する霊人)がその部分を担当しているはずです。
この例では、「凶悪犯罪者」のロウセルフは、自分自身の「罪の意識」のあまり、自己の神性を肯定することができませんでした。本人自身の力ではどうにもならなくなっていたのです。その罪の意識を溶かすために必要なのが「懺悔の思い」と「感謝の思い」であり、ヒューレン博士はその思いのエネルギーを凶悪犯罪者の代わりに作って提供してあげたと考えられます。これは高度にスピリチュアルな奉仕です。
こういう構造を理解すれば、我々にも、難しさの程度の差はありますが、同じ奉仕ができるはずです。
なお、相手のハイセルフがアクションをとるときには、「想念エネルギー」だけでは十分でなく、「活動エネルギー」も必要だということに注意すべきだと思います。ヒューレン博士の省略化されたホ・オポノポノでは呼吸法は強調されませんが、「上級ホ・オポノポノ」では祈りの前に「呼吸法」をして、「マナ」という自然の生命エネルギーで自分の肉体を充電します。これは、この種の祈りはある種の霊的な活動なので、余分なエネルギーを蓄えてからでないと、自分のエネルギーを消耗してしまうからです。
ところがヒーリングウェーブでは、音自体が一種の生命エネルギーであるため、ただその音を相手に遠隔で送るだけで、相手にそのエネルギーがチャージされます。祈る人自身の生命エネルギーは消耗しません。これがヒーリングウェーブを使うことの利点だと思います。