マリアさん（仮名）は、日本人と結婚した外国人の女性でした。スピリチュアルな知識はあるようでした。彼女が、お店でパワーストーンのブレスレットを作ったとき、「ハートチャクラを開きたい」としきりにいうので、杉内さんが、ヒーリングウェーブのセッションを勧めてくれました。

彼女は、体調が思わしくなく、肉体的には、最近いつも胃が痛いのだそうです。

「チャクラを開きたい」という希望だったので、とりあえず、簡単にヒーリングウェーブの説明をして、チャクラの音を受けてもらいました。７つのチャクラを３分ずつかけたのですが、マリアさんの反応は、「期待していたものと違う」ということでした。

チャクラの音をかけると、身体のエネルギー体になんらかの感覚を感じる人が多いのですが、ほとんど感じなかったということでした。

マリアさんの反応を聞くと、女性にしては珍しく、身体感覚がない人でした。精神（思考）中心で生きていて、エネルギー体としての身体の感覚が全くないのです。

チャクラというのは、魂・精神・身体の三つのエネルギー体のうち、身体のエネルギーであるエーテル体に、地球の生命エネルギー（気）が、活動エネルギーとして流れ込んでくる時の入り口のことだと理解しています。

身体のエネルギーは、精神（思考）が何かを否定したり、誰かを裁いたりしていると、流れなくなります。エネルギーを流すには、否定したり裁いたりしないで、自分の内側から流れ出る愛のエネルギーの感覚を掴むことが大事で、結果として、神のエネルギーが自分の身体を通るから、自然にチャクラが開くようになるわけです。

ハートのチャクラは、何か、超能力的なやり方で、インスタントに開くようなものではないと思っています。壁に蛇口をつけただけでは、水道水は流れてこないのと同じで、まず地下に、愛の水脈が流れている状態にしないといけないのです。地下の水脈とは、神様のお体である、愛のエネルギーのことです。

いろいろお話を伺っていると、この方は結婚しているのですが、旦那さんが他に女性を作り、その人にお金を渡しているので、自分は生活するために働かなくてはいけなくなった。それでいつも旦那さんのことを裁いているのです。表面だけ見たら、とんでもない旦那さんであることは間違いありません。だからといって、人を裁いていると、病気の種を作ってしまいます。

杉内さんがカードを引くと、「手放す」ことを示唆するカードが出ました。明らかに、ご主人に対する執着があり、思いがその一点に集中しているので、他にエネルギーが流れていかない状態で、それが体調にも表れているわけです。

私はマリアさんにこういう話をしました。

「チャクラを開けばエネルギーが通るのではなく、エネルギーが通るからチャクラが開くのであって、順序が逆なのです。人間には、魂と精神と身体の意識の、三つのエネルギー体があります。精神と身体しか働いていないときは、私たちは不安や恐怖を感じるようになっています。

一方、魂は、無条件の愛の中を生きているので、魂のレベルで生きていれば、恐れも不安も必要なくなります。マリアさんは、今回、旦那さんとの問題があったおかげで、自分の思考や感情（心）を深く観察するようになりました。観察しているのが、魂です。つまり、魂とつながるきっかけができたのです。

あなたの魂は、神様の一部です。だから、あなたの本心は、神の声を知っています。だから、魂の導きにしたがって、精神が選択すればいいんです。魂は、あなたに、ああせよ、こうせよとは強制しません。こうしたほうがいいと勧めるだけです。

どんな選択をしても、自由です。ただし、選択の結果の責任を取る覚悟を決める必要があります。大事なことは、漠然と、無意識的に生きるのではなくて、明確な意思を持って自覚的に選択することです。自分の自由意志で選択するならば、どのように生きてもいいんです。どんな選択をしても、正しいとか、間違いということはありません。でも、私がお勧めしたいことは、今、ギュッとつかんで手放せないでいる執着を手放すことです。思いがそれだけに向いているので、エネルギーが流れていかないのだと思います。」

マリアさんが、今直面している出来事は、マリアさんの魂が、気付きのために起こしていることで、どう対応するかは、マリアさん自身しか決めることはできません。もちろん、魂や、守護霊には、こうしてほしいという希望はあるとは思いますが、地上の本人に、それを強制することはありません。ましてや、第三者であるスピリチュアルカウンセラーが、答えを示唆するようなことはできません。彼女の自由意志を奪ってしまうからです。

ヒーリングウェーブの音それ自体は、神の愛のエネルギーの表れなのですが、それは、人間の内なる神のエネルギーを引き出す、呼び水にすぎません。マリアさんは、自分の内側に、溢れ出る愛の泉を発見する必要があります。彼女はそれを体験したくて、地上に肉体を持ったのです。彼女がいつその宝を発見するかはわかりません。